日頃から比喩を使っていますか?
今回は、プレゼン力の向上に効果的な日常の取り組みをお伝えしたいと思います。
私は常々、プレゼンはマラソンのようなものであると言っています。
人に物事を伝えることは、プレゼンの時だけ必死に取り組むのではなく、
日常生活から訓練をしておくことが不可欠なのです。
それはまさに、日頃からのジョギングなしに本番だけ頑張っても
完走や良い記録など期待できるはずがないマラソンと一緒なのです。
しなしながら、
多くのビジネスパーソンが自分にプレゼンの機会が訪れた時だけ必死に考え、
それが終わると伝え方について考える意識が極端に薄くなってしまうのです。
そうではなく、日常からプレゼンのジョギングを行っておくことが必要なのです。
そこで、有効なトレーニング方法の一つが「比喩を使う」ということです。
なぜ比喩が良いのかというと、伝えるべきポイントを明確に絞り込む訓練になるからです。
例えば、今お話している「プレゼンはマラソンのようなもの」という話では、
「本番だけ必死に頑張ってもダメ」「日頃からのトレーニングが不可欠」という
2つのポイントをより明確にお伝えしました。
このように比喩は、全く別の事柄を掛け合わせて
自分が伝えたい要点を明確にすることにとても効果があるのです。
そこで皆さんは、日常会話の中でどれだけ比喩を使っていますでしょうか?
あるいは、Aについて話をするときには必ずBに喩えるといった
比喩ネタなどはお持ちでしょうか?
比喩を用いた伝え方というのは、個人差が非常に大きく、
また大半の人はほとんど使っていないというのが実際なのです。
ですから、まずは比喩を取り入れて物事を説明しようという意識と
相応しい喩えの対象を探す目が必要になるのです。
どんなことでも構いませんので、他の物事に喩えることに挑戦してみてください。
そして、適切な比喩を見つけて実践してみることで、
聴き手がことのほか自分の話に納得してくれることを体感できれば、
あなたの伝える力は格段にアップしていきます。
ではもう一つ例をご紹介しましょう。
私は以前、後輩から「業務、作業のやりくりが上手くできない」
それに伴って「効率的な時間の使い方ができない」といった相談を受けた時に、
「仕事のやりくりは料理のようなものである」という比喩を使っていました。
その要点は、仕事も料理も3つのプロセスで取り組むと効率的になるということです。
①まず、すぐに片付くことから取り掛かる
②次に、仕込み時間が必要なものを仕込む
③最後に、手間と注意が必要なものに集中する
以上の流れによってほとんどの料理は効率的かつ美味しく仕上げることができます。
仕事も同じように業務や作業を仕分けして、
①②③の手順を組み立てることで効率的に仕上げることができるようになります。
このように何も大きな事柄について比喩を使うのではなく、
身近なちょっとした話に比喩を織り交ぜることで十分なのです。
そうした少しずつの努力の積み重ねが伝え方のジョギングとなって、
いざ本番という時に力が発揮できるようになるのです。
ぜひ、ほんの少し意識を変えて挑戦してみてください。