説明内容は判断、説明方法は決断につながる

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プレゼンテーション二つの構成要素

説明内容は判断、説明方法は決断につながる
プレゼンテーションにおける伝え方と言うと、大きくは二つの要素に分かれます。一つは、何を伝えるかという説明内容、そしてもう一つは、どう伝えるかという説明方法です。前者をコンテンツ、後者をデリバリーという場合もあり、何をどう伝えるかという二つの要素が合わさって、プレゼンテーションが成立することになります。そして、両者を効果的に活用するためには、それぞれが聴き手に対してどのような働きを持っているのかを理解することが大切です。プロフィールでもご紹介している通り、私は以前、医療業界で病院向けのITシステムやコンサルティングの営業の仕事にたずさわり、社外での提案コンペのプレゼンテーションを数多く行っていました。少々不遜な言い方になりますが、プレゼンの勝率は業界の中ではかなり高い方であり、よく周囲の人からは「なぜそんなに決められるのか?」といった声が聞かれました。しかし、その成功要因は極めて単純なことで、私は説明内容と同じくらい、いやそれ以上に説明方法、つまり伝え方を強く意識していたからです。

例えば、社外に対する提案、交渉、謝罪などを行う場合、何を伝えるかという内容はもちろん大切です。しかし、内容はあくまで情報であり、聴き手にとっては客観的な判断材料にすぎないのです。したがって、説明内容を訴えるだけでは、相手の決断にまで結びつく決め手に欠けてしまうのです。そこで、判断を決断に昇華させるのが、説明方法=伝え方になります。伝え方は、聴き手の将来に対する期待や信頼に結びつきます。分かりやすい伝え方をすれば「この会社の人たちはきっと分かりやすい仕事をするのだろう」、丁寧な伝え方をすれば「この会社の人たちは何事もきっと丁寧に対応してくれるだろう」と聴き手は様々な想像力を働かせるのです。他にも、例えば何かトラブルが発生して謝罪をしなければならない時に、余計な言い訳は一切せず、率直に相手と正面から向き合って謝ることで、今まで以上により強い関係性が作られることも伝え方の力と言えます。

伝え方のポイントはアイコンタクトと言い切り

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それでは、実際に説明方法=伝え方においてどんなことに気をつければ良いのかというと、まず最も重要なポイントは「アイコンタクト」です。聴き手一人ひとりとしっかり目を合わせながら自分の言葉を確実にデリバリーしていきます。このスタイルを実践することにより、聴き手は頼りがいのある説得力を感じるようになります。決して投影しているスライドの方ばかり見てはいけません。当然ですが、原稿を持ってそれを読むなどという方法は言語道断と言わざるを得ません。私はこれまでITやゼネコン業界で数億円から数百億円規模のプロポーザル案件のプレゼンをサポートする仕事に関わってきましたが、原稿読み上げスタイルを当たり前のように続けていたという話を聞き、非常に驚いた経験があります。誤った内容を伝えないようにするためという理由でしたが、聴き手に訴えかける力は弱くなってしまうと言わざるを得ません。手元原稿を見なくとも正確な内容が伝えられるまで、事前準備をしっかりと行うことが求められます。

そして、次に重要になるのが言葉をしっかりと言い切ることです。
やはり大切なのは、文末の表現です。「~というふうに考えています」「~ということも可能かと思われます」という遠回しな言い方はせずに、「~と考えます」「~できます」「~行います」とはっきりと宣言しなければなりません。そしてこの「言い切り」が「アイコンタクト」と組み合わさることで、聴き手への訴求力が格段に高まるようになります。いずれも説明内容とは別に説明方法に関わることです。一生懸命に考えて、自信を持った内容を準備したのであれば、その自信が伝わるように説明方法も徹底しなければなりません。特に、競合他社とのコンペの場合、聴き手の判断に十分叶う内容を用意したのであれば、決断への決め手として説明方法にも力を入れることで、勝率を格段に高めることができるようになってきます。

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