表面的な薄っぺらな表現を深める方法

表面的な薄っぺらな表現を深める方法

当たり前な事は言うに及ばない

表面的な薄っぺらな表現を深める方法
プレゼンテーションNGワードの記事でもご紹介しましたが、物事を伝える時に表面的な表現を使ってしまうことは意外に多くあるものです。私は様々な業種の企業様、個人の方のプレゼン資料や原稿をチェックしていますが、相変わらず多いという印象を持っています。
例えば、提案において「お客様を全力でサポートします」「ご要望に柔軟に対応します」「きめ細かい対応と円滑な業務を遂行します」といったような言い回しです。また、昇進試験のプレゼンでは「専門性を高めつつ協調性を持って業務に邁進します」「コミュニケーションを重視し、革新的な組織づくりを目指します」といった表現です。いかかでしょうか。皆さんもこうしたフレーズを見たり聴いたり、あるいは使ったりしたことはありませんでしょうか。とても聞こえがよく、立派な決意に聞こえますが、こうした表現は、当たり前すぎて聴き手に何も訴えるものがありません。全力のサポートも要望への柔軟な対応も円滑な業務の遂行もお客様からするとやってくれなきゃ困りますし、むしろやって当たり前と言えるかもしれません。
したがって、プレゼンにおいてこうした当たり前な言い回しは、言うに及ばない薄っぺらな表現として避けなければいけません。

「例えば」で具体化してみる

表面的な薄っぺらな表現を深める方法
では、その代わりにどのような表現に改めれば良いのかと言いますと、まず一つ目のポイントは「具体化」です。
一つひとつの言い回しに「例えば」と付け加えることによって、その中身を具体的に導き出すようにします。全力のサポートとは、例えばどのようなことなのかを具体的に考えます。例えば、土日祝日も夜間も含めて24時間365日の対応なのか、契約後の1年間は毎月1回定期的に訪問するのか、開始後の半年間は無償で修正の要望に応えるのか等を明らかにして伝えるようにします。
そうすると聴き手であるお客様は「そこまでやってくれるんだ!なんて全力のサポートなんだ!」とその価値を理解してくれるようになるはずです。
つまり、聞こえの良い当たり前な表現とは、聴き手が抱く感想の言葉であってプレゼンター自身が言うべきことではないのです。それを自分で言うことは、「私は元気で明るいです」「私は真面目な頑張り屋さんです」と気恥ずかしくなるような自画自賛の状態とも言えるのです。

「そのためには」で深掘りしてみる


薄っぺらな表現を改めるもう一つの方法として「そのためには」と自問自答して考えを深めるというのがあります。
例えば、「コミュニケーションを重視し、革新的な組織づくりを目指す」場合に、コミュニケーションを重視するためにはどうすべきか、革新的な組織を作るためにはどうすべきかと考えます。すると「上下関係を無くして平等意識を芽生えさせる」「定期的に自由にディスカッションする時間と場を設ける」「時と場合によってリーダーとフォロワーが入れ替わる組織を作る」「昔はこうだった、以前はこうやったという発言をしない、させない」といった具体的な内容が導き出されてくるはずです。
プレゼンテーションでは、こちらの方を詳しく説明すれば良いのです。そうすれば、聴き手は「コミュニケーションを重視しているな」「なんて革新的な組織だ」という感想を持ってくれるようになります。以上のように、聴き手にこう思って欲しい、このように受け止めて欲しいという思いが強すぎると、プレゼンター自身がその言葉を発してしまいがちになります。
ですが、思いは思いとして自分の中に留めておき、聴き手にそう思ってもらうためには何を伝えなければならないのかを冷静に見極める必要があるのです。
過去に作成した提案書や今作っている企画書について「言うまでもなく当たり前な表現」が無いかどうか、一度チェックしてみてください。

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