聴き手を惹きつけるプレゼンのハヘホ
聴く価値のあるプレゼンテーション
プレゼンテーションと一言で言ってもその目的によって様々な種類があります。
例えば、お客様への提案のプレゼン、新たな取り組みに関する企画のプレゼン、組織の課題を解決するための提言のプレゼン、あるいは仕事の実施内容を共有する業務報告のプレゼン等が代表例として挙げられます。いずれのケースにおいても大事なことは、伝えた後に聴いてよかったと思ってもらえる、聴く価値のあるプレゼンテーションを実践することです。
逆に言えば、聴き手から「わざわざ時間を取って人を集めるまでもないだろう」「大した面白みのない話だな」などと思われてしまっては目的を達成することができません。そこで大切なことは、聴き手が思わず「はぁー」「へぇー」「ほぅー」と声を出してしまうような「惹きつけポイント」を話の中に盛り込むことです。
これを私は「プレゼンのハヘホ」と呼んでいます。皆さんも何かに驚いたり、気づかされたりした時に思わず「はぁー」「へぇー」「ほぅー」と声を発した経験があるはずです。その時の心境を思い出しながら、自分のプレゼンテーションにおいてどこでどのように驚きや気づきを与えるかということを戦略的に考えるようにします。
その結果、必然的に聴く価値のある話を組み立てることができると共に、聴き手の視点に立った双方向のプレゼンテーションを実践できるようになってきます。なにも仰々しく大げさに驚かせようなどとする必要はありません。小さなサプライズで十分ですから、しっかり内容を検討するようにします。
聴き手を惹きつけるプレゼン3つのポイント
では、具体的な「プレゼンのハヘホ」の考え方ですが、まず最もシンプルなポイントは聴き手に新しい情報を与えることです。
例えば、「国内ではまだ見られないが、海外ではすでに変化が起きている」「一般的には○○ということが認識されているが、詳しい調査によると実は□□というのが現状である」といったように新しい事実やデータを提供することで、聴き手に小さなサプライズや気づきを与えることができます。
次に、「想定を超える」「意外性」というのも大切なポイントです。これは数値化をするのが効果的で、聴き手が大体このぐらいだろうとの想定に対して良い意味で期待を裏切るようにします。10倍以上すなわち桁が違うといったサプライズであれば驚くのは当然かもしれませんが、そこまででなくとも1.5倍、2倍、3倍と想定を超えた情報を提供することで「プレゼンのハヘホ」を引き出すことができるはずです。
ちなみにこの場合の注意点として事実であることが重要です。稀に目標や見込み予想として想定を大きく超える数値を提示しているケースを見かけますが、それは伝える側の思いが一方的に強いだけで、聴き手のサプライズには結びつきませんので注意してください。
そして最後のポイントは「感心」です。「よくそれが実現できたな!」「よくぞやってくれました!」といったような感心の気持ちを聴き手が抱くと「プレゼンのハヘホ」を引き出すことができます。このようにいかに驚きや気づきのポイントを話のネタとして仕込むことができるかどうかで「プレゼンの惹きつけ力」が変わってくるのです。そこにメリハリのある話し方が加わることで、真に魅力的なプレゼンテーションを実践することができるようになります。このシンプルな「ハヘホ」を常に自問自答することを心掛けてみてください。