実務に役立つMECEの活用法

実務に役立つMECEの活用法

MECEとは


ロジカルシンキングの基本的な考え方として有名なMECE、聞いたことがある方も多いと思います。Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略で日本語に訳すと「相互に排他的で、完全な全体集合」という意味になります。一般的には「モレなく、ダブリなく」という解釈で物事、事象を分類し、整理する手法としてビジネス現場等で浸透しています。
最も端的な具体例としては、スポーツで鍛えるべき要素である「心・技・体」が挙げられます。何らかの競技に一度でも取り組んだことのある人なら分かると思いますが、レベルアップを図って試合で勝つためには、心=失敗を恐れず果敢に挑むメンタル、技=優れた技術とそれを安定的に発揮する能力、体=健康で強靭な体づくりの3つの要素が必要だという考え方です。まさに「モレなく、ダブリなく」の状態です。
そして、ビジネスでは事業戦略やマーケティング分野で用いられる3C分析(Customer=市場 Company=自社 Competitor=競合)や4P分析(Product=商品 Price=価格 Promotion=販売促進 Place=流通)がMECEの代表例として挙げられます。このように世の中のあらゆる分野においてMECEは数多く用いられています。しかし、それを知ることだけに留まっていてはあまり進歩がありません。
やはり大事なことは、これらの代表例に倣って自分なりのオリジナルMECEを導き出すことで、自分を取り巻く事象を分類、整理することであり、そこにこそロジカルシンキングを学ぶ意義があるのではないでしょうか。ビジネスの現場では、ロジカルシンキング・・・MECE・・・あぁ知ってる!知ってる!という人も多いと思いますが、では実際にその考え方を応用した自分なりのMECEを使って提案や企画、あるいは課題解決策をまとめたことがあるかというと、そう多くはないのではないでしょうか。

最も簡単なMECEの使い方


ではMECEを実務の中で活用するために具体的にどうすれば良いのかと言うと、最も簡単な方法は2つの対比型でまとめるということです。
先に挙げた代表例のように心・技・体や3C分析、4P分析といきなり3つや4つの要素で分類しようとするのは、なかなか難しいものです。そこで分類の最小単位である2つの視点に絞って、なおかつ対比型でまとめることをお勧めします。
そうすれば、身の回りのあらゆる物事、事象に当てはめて考えることが可能になってくるはずです。最も基本的な例としては、主観的と客観的(人によって見方が異なる、誰が見ても同じ)、具体的と抽象的(形があって目に見えるもの、形が無く目に見えないもの)という対比が挙げられます。
あるいは、自責と他責(成功も失敗も原因を自分事とするか、他人や環境にするか)、属人的と標準化(特定の人に依存してその人しか実行できないか、方法を知れば誰でも実行できるか)なども挙げられます。いかがでしょうか。このように2つの対比型なら自分なりのMECEをまとめられるのではないでしょうか。別に3つや4つの要素で分類しなければMECEと呼べないということではありません。
要はモレなく、ダブリなくの状態であれば良いのです。しかもこの対比型でのまとめ方は、プレゼンテーションにおける基本的なスタイルであり、メリハリを出すことができ、最も理解しやすい形式でもあるのです。何のためにロジカルシンキングを学び、活用するのかを考えた時、自分自身の思考を整理することはもちろんですが、それだけではなく他者に分かりやすく伝え、理解を得るという目的もあるはずです。むしろビジネスの提案や企画、課題解決では、そちらの方が重要であるはずです。その点からも2つの対比型でまとめることは、効果的であり、実用的であると言えるのです。
決して難しく考えるのではなく、シンプルな発想で身の回りの物事を分析し、分類してみてください。そうすれば、様々な視点に気が付き、MECE脳が活性化されてくるはずです。

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