聴き手と目線を合わせる伝え方

聴き手の疑問は何なのか?

部下の目線、上司の目線、他の部門の目線、それから社外の目線、顧客の目線などさまざまな人の立場に立って伝えなければなりません。では、そもそも聴き手の目線に合わせるとはどういうことなのでしょうか。
何となくイメージはできるが、具体的にどうすれば良いかというとよく分からないという人も少なくないのではないでしょうか。具体的には、聴き手の疑問を正確に把握するということです。つまり、聴き手が知りたいことや分からないことと自分の話の内容をしっかり合わせるということです。

たとえば、自社の新商品を説明する際に、社内の人であれば、

「なぜ今、新しい商品をつくって売るのか?」
「今までの商品とどこが違うのか?」
「いつまでにどこにいくらで何個売る計画なのか?」

といったことが知りたいはずです。

 

それに対して、社外の顧客の場合は、

「そもそもこの商品は何なのか?」
「どうやって使うのか?」
「どれだけの効果があるのか?」
「それでいくらなのか?」

といったことが知りたいはずです。逆に、それがわからなければ買うはずがありません。このようにテーマや場面に合わせて聴き手の疑問を正確に察知することが、聴き手と目線を合わせることになるのです。そんなことぐらい当たり前だと思うかもしれませんが、意外にやっているようでできていない盲点となっているのです。

自分と距離が遠い人に伝える難しさ

このように考えてくると、最も目線を合わせやすいのは自分と同じ知識レベルや背景を共有している人です。
例えば、社内の人、特に同じ部門で一緒に仕事をしている人です。あるいは社外でも同業者の担当者は同じような専門知識を持ち合わせていますから、やはり目線は合わせやすいでしょう。
逆に難しいのは、自分と同じ専門知識を一切持っていない、いわゆる素人の場合です。典型的なのが、エンドユーザーです。業種、業界を問わずすべてのビジネスパーソンはその分野の専門家であり、その専門性を高めるために、日々知識や技術の研鑽に努めていることでしょう。すると、何も知らない、何もわからない素人の疑問を正確に察知することが、どうしても難しくなってしまう傾向にあるのです。

だからこそ、聴き手と目線を合わせることが、多くのビジネスパーソンの慢性的な課題になってしまいやすく、逆にそれが出来るとプレゼンテーションにおいて大きなアドバンテージを獲得することができるのです。そのためには、とにかく日頃から人に興味を持つことが大切です。しかも、自分と同じような背景や関心を持つ人ではなく、全く重ならない人に興味を持つようにしましょう。よく「あの人とは話が合わない」という言い方がありますが、むしろ話が合わない人の方が、目線を合わせる力を養うには効果的です。
自分が知っている物事について、それを全く知らない人はどの程度知らないかを推し量ることが、いざプレゼンテーションをするといった時に力を発揮してくれます。社内の企画発表でも、事例発表や報告会議でも、あるいは社外の提案営業でも、聴き手は何も知らないからプレゼンテーションをする必要性が生まれるのです。まさに疑問を一つひとつ捉えて、それを解消していくプロセスに他ならないのです。自分から最も遠い位置にいる人こそが、伝える力に大切なヒントを与えてくれるのです。

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