昇進・昇格試験プレゼンテーションの秘訣(資料作成編)

 

キーワードによる訴求ポイントの明確化

プレゼン資料作りというと、営業の提案やプロジェクトの企画、報告が一般的であり、商品やサービスを客観的に説明するために画像を添付したり、グラフを掲載したり、あるいはフローチャートを作成したりと図解による表現が多用されます。しかし、昇進、昇格試験のためのプレゼンとなると、自分の発表であるためにそうした図解化がしづらくなり、とかく文章で表現しがちになります。それではまずいと感じたのか、図形や矢印で無理に図解にしようとして余計に構成が複雑になり、何が大事なポイントなのかが伝わらない資料をよく目にします。

 

そこで大事なポイントは、自分が訴えたいポイントをキーワード化してはっきりと打ち出すことです。例えば、自分の強みとして「7年間にわたり海外赴任を経験したことで、グローバルな視点に立った提案力があること」を訴えたい場合、そのまま文章で記載するのではなく、「7年間の海外経験に基づくグローバルな提案力」のように語句として打ち出します。

あるいは「グローバルな提案力」とさらに簡潔に表現して、その後に「7年間にわたる海外赴任経験により・・・」のように少し説明を加えるという方法でも良いでしょう。このように自分が訴えたいポイントをキーワード=語句として前面に打ち出すようにします。そうすれば、無理に図解化しなくとも聴き手に訴えかけるプレゼンができるようになります。

 

将来のアクションの具体化と定量化

前項のストーリー編でもご説明しましたが、昇進、昇格試験で大事なことは過去の話ではなく将来のアクションです。上のポジションに昇進、昇格したならば、何に取り組んでいくのかを評価者は期待しています。その際に「会社の発展に寄与できるよう精進します」「より大きな成果が上げられるよう誠心誠意努力します」という表現では、抽象的すぎて全くインパクトがありません。聴き手からも「そんなこと当たり前だろう」と言われてしまいます。したがって、「どのように寄与するのか」「どれくらい貢献するのか」「大きな成果とは何についてどのぐらいを指しているのか」が理解できるように具体化と定量化を行わなければなりません。それもキーワード化して前面に打ち出す必要があります。

 

また、過去の取り組みや実績が将来のアクションとどのような関係性があるのか、あるいは将来のアクションはこれからの時代やマーケットの変化とどのような関連があるのかについてスキーム図を使って表現することも検討してみましょう。全体の関連性を描くことができれば、資料の枚数を減らすことにも繋がります。昇進、昇格試験のプレゼン発表は、10分程度と短く設定される場合が多いので、見せる資料も簡潔にまとめた方が聴き手は理解しやすくなります。したがって、スキーム図を使って全体像を表現するのが効果的です。もちろんスキーム図には長々しい文章を記載することはできませんから、キーワード化の方向に自然と向いていくはずです。いずれにしても限られた時間の中で自分は何を訴えたいのかを絞り込んでおくことが、シンプルな資料を作る上で不可欠な要素となります。

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