アウトプットの方法をインプットして終わっていませんか?
こんにちは、プレゼンテーション講師の伊藤です。
皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
本日お伝えしたいのは、プレゼンテーションについて
「しっかりアウトプットできているか?」ということです。
これは私がさまざまな企業、団体で研修を行っていて強く感じることです。
通常、研修後には受講者にアンケートを記入していただくのですが、
そこで目立つコメントが
「プレゼンに関する今までの自分の知識との照らし合わせ」です。
「あれは知らなかったので勉強になった」とか
「あの方法は知っていた」というものです。
もちろん知らなかった事を知ることは大切であり、
大きな意義があるのは間違いありません。
しかし問題なのは、実践力との結びつけができていないということです。
いやむしろ大いに改善の余地ありという場合がほとんどです。
つまり、「プレゼンテーション力=アウトプットの方法」を
「インプット」しただけで終わっている人があまりに多いのです。
例えば、プレゼンテーションで基本中の基本である
「主役は聴き手である」
「話の結論と目的をはっきりさせる」
「話を3つのポイントにまとめると良い」
「話を全体→詳細→全体の流れで構成するSDS法」
などを知識として習得することには熱心で、
あるいはすでに吸収しているという自信を持っています。
しかしながら、それにもかかわらず、実際のプレゼンテーションを聴くと
「聴き手を主役にできておらず」
「結論と目的がはっきりせず」
「大事なポイントもはっきりせず」
「全体→詳細→全体の流れが感じられない」
といった状況に陥っているのです。
私は、これは日本のビジネスパーソンの大きな問題だと捉えています。
当然ですが、アウトプットの方法はただ知識としてインプットしただけでは
何の意味もなく、自分で確実にアウトプットしなければならないのです。
あまりにも当然のこと過ぎるからなのか、
この点に対する意識が弱い傾向にあるようです。
そこで、皆さんにプレゼンテーションにおける合言葉をお送りします。
それは「知っているか?やっているか?伝わっているか?」です。
ぜひご自身の確認はもちろん、
お互いの意識確認に活用していただければと思います。
①「知っているか?」は知識として持っているか
②「やっているか?」はインプットしたことを確実にアウトプットしているか
③「伝わっているか?」はアウトプットした結果、聴き手が受け取っているか
プレゼンテーションは、①に始まり、②を通じて③まで到達して
はじめて成立するものです。
ところが、先述したとおり①と②の間にまず大きな壁が存在します。
ですから、「良いこと聴いた」「ためになった」「勉強になった」
で終わらせることなく、確実に実践に反映していただきたいと思います。
そして、②と③の間にはさらに大きな壁が存在します。
しかし、ここが生命線です。
自分では「やったつもり」でも聴き手がそれを明確に感じ取っていなければ
意味がないことは言うまでもありませんが、
なかなかできていないことなのであえて言わせていただきます。
これから仕事が本格的に忙しくなり、
社内外で大切な勝負プレゼンが訪れることも少なくないと思います。
あるいは、研修やセミナーを受講する機会もあるかもしれません。
だからこそ「知っているか?やっているか?伝わっているか?」
という合言葉によって、もう一度当たり前の基本中の基本を
見つめ直していただきたいと思います。